採用イベントで聴衆を魅了し、印象に残る会社紹介プレゼンテーションをする方法

採用イベントで聴衆を魅了し、印象に残る会社紹介プレゼンテーションをする方法

求職者優位で人材確保の競争が激しい現在の日本の採用環境では、人事担当者と採用担当者は、今までの主要な採用手法である求人サイトや転職サイトへの求人掲載や求職者への直接スカウトなどに加えて、さらに創造性を発揮し、従来の方法を超えた手法を活用して、潜在的な候補者とつながる必要があります。
求職者にとって、情報が溢れている今、そして次から次へと自動的に情報が飛び込んでくる中で、今までように求人を掲載し、エージェントに依頼をして求職者が来てくれるのを待っているだけの採用手法では、今の日本市場では、求職者を獲得することはますます困難になってきています。企業は、そして採用担当者は、これまでとは違う新しい手法に常にチャレンジし、求職者に「この会社は普通と違うな!面白そうだな!」という印象を与えることがとても重要となってきています。

多様化している採用手法の中で、オープンハウスの開催やキャリアイベントなどのイベントへの参加などは、自らが企業を売り込んでいく手法として、最近さまざまな企業が試みている採用手法の一つです。こうしたイベントへの参加出展の最大のメリットは、より多くの人にあなたの会社をもっと(詳しく)知ってもらうことができること、また、これまであなたの会社に興味を示さなかった方にも興味を持ってもらえることです。

イベント中では、多くの潜在的な候補者に向け、会社説明やプレゼンテーションを行うことが通常です。このように会社紹介のプレゼンテーションを行うことは、あなたの組織を紹介し、さらに求職者にポジティブな印象を残す強力な手段ではありますが、多くの企業が同じようなプレゼンテーションを行う中で、あなたの会社が求職者にとって魅力的な会社となり、応募意欲を掻き立ててくれるようなものにしなければ、逆効果となってしまうことも多々あります。

ブランドのポジティブなイメージにつながる、そして、記憶に残るイベント体験を聴衆に提供するにはどうすれば良いのでしょうか?

このブログ記事では、プレゼンテーションを行う際に、聴衆から注目を浴び、彼らを魅了し、そしてチームへの参加意欲を掻き立てるためのさまざまな戦略とヒントを紹介します。物語を語って聴き手を魅了する「ストーリーテリング」や活気のある、魅力的な話し方やジェスチャーなどを使う「ダイナミックな表現」、聴衆との対話や参加を促す「インタラクティブな要素」、そして感情に訴えかかける力を使い、聴衆の共感を深める方法など、プレゼンテーションを単なる情報を提供するだけではなく、感動的で記憶に残るものにするための重要なテクニックをご案内します。

1. 最初に注目を集める
聴衆の興味を引く: プレゼンテーションの冒頭では、驚くような発言や面白い逸話、または考えさせられる質問などから始めましょう。まずは最初に注目を集め、これから始まるプレゼンテーションに注意を引きましょう。
トーンを設定する: トーンの設定とは、プレゼンテーションの冒頭でそのセッション全体の雰囲気や期待される内容を明確に示すことです。具体的には、
  • 期待を設定する:聴衆に対して、これから話す内容がどのようなものであるか、どんな情報が得られるのかを伝える
  • 価値を示す:なぜその内容が聴衆にとって重要であるか、聞く価値があるかを明確にする
  • 雰囲気を作る:プレゼンテーションのスタイルやトーン(例えば、フォーマルかカジュアルか、真剣か楽しいか)を設定する

2. 聴衆をストーリーに引きつけ続ける
冒頭だけにインパクトがあっても、プレゼンテーション全体のストーリーがつまらなければ、聴衆の興味を引きつけ続けることは困難です。ストーリー作りは、リズムを作り、テンポよく、興味深く、楽しく、説得力のあるものになるように注意しましょう。
真実の物語を語る: ストーリーには、始まり、中間、終わりがあり、この構造(ストーリーテリング モデル)を使用して、話をわかりやすく、記憶に残りやすいものにします。ストーリーをあなたの会社の目標、活動、発見、将来の展望に関連付けて、一貫性のある物語を作成します。
個人的な逸話を交える: 関連する個人的な体験などを話すことで、あなたの話している内容がより親しみやすく、共感できる、そして実感を持ってもらうことができます。
ケーススタディを紹介: 実際の例を使って要点を説明し、話に具体的で説得力を持たせましょう。

3. ユーモアをうまく利用する
明るい雰囲気を保つ: 雰囲気を明るくし、聴衆を引きつけ続けることはとても重要です。しかし、そのユーモアが適切で関連性のあるものであることを忘れないようにしましょう。
自虐的なユーモアも活用: 自分自身を少し下げるような自虐的なユーモアを使うことで、聴衆に親近感を与え、感情的なつながりを築くことができます。
適切な使い方にも注意: ユーモアは聴衆をリラックスさせ、興味を引くのに役立ちます。プレゼンテーションを印象的なものにするためにユーモアを使うことはとても有効的な手段ではありますが、スタンドアップコメディのようにならないように注意してください。

4. 視覚的な要素やマルチメディアの活用
視覚的な要素やマルチメディアを効果的に取り入れ、聴衆の関心を引きつけ、内容を理解しやすくしましょう。
目を引くスライド: 百聞は一見にしかず!高品質なビジュアル、インフォグラフィック(図表)などを使い、テキストは最小限に抑えてスライドを魅力的にします。また、最低限として、画質が低い画像やグラフは避けましょう。スクリーンに移されたときの画質や色調などにも気を使いましょう。また、聴衆の集中力を保つために、過度に長く、文字の多いスライドは避けてください。
ビデオと GIF: 動画や GIF を組み込んで、要点を説明したり、ユーモアを加えたりすることで、プレゼンテーションをより動的で面白いものにします。

5. インタラクティブな要素を取り入れる (発表時間に余裕があれば)
投票やクイズ: 投票やクイズになど、ライブで聴衆の反応を得ることができるシステムを使用して、プレゼンテーションをインタラクティブにします。
質問とディスカッション: プレゼンテーションの途中で質問を受け付けたり、また、逆に聴衆に質問を投げかけたり、専用の Q&A セッションを設けたりして、聴衆を積極的に参加させましょう。
プレゼンテーションをゲーム化する: ゲーム、クイズ、投票を追加して、プレゼンテーションをより楽しく、惹きつけるものにしましょう。聴衆が多く参加するほど盛り上がり、より良い結果が得られます。

6. ダイナミックな話し方をする
 声の調子に変化をつける:
声のピッチ(高低)、ペース(速さ)、ボリューム(音量)を変化させて、話し方をダイナミックで興味深いものにしましょう。例えば、
  • しっかりとした低めのトーン:自信を持って話をすると、聴衆に安心感を与え、話の信ぴょう性を高めることができます。低めのトーンは特に信頼感を生む効果があります。
  • エネルギッシュで熱意のあるトーン:話すペースが速く、声のトーンが高めで情熱的だと、聴衆に自分のテーマに対する熱意を伝えやすく、関心を引きつけることができます。
  • 穏やかで落ち着いたトーン:柔らかい声のトーンや穏やかな話し方は、聴衆をリラックスさせ、親しみやすさを感じさせます。
  • 厳粛で真剣なトーン:重要なポイントや緊張性を強調したい場合は、真剣で厳粛なトーンを使うと効果的です。
  • 軽快で明るいトーン:ユーモラスな話をするときや聴衆を楽しませたいときは、明るく軽快なトーンを使うと良いでしょう。
  • 強調したい部分での変化:重要な部分や強調したいポイントで声のトーンを上げたり下げたりすることで、聴衆の注意を引き、説得力を持たせることができます。
ボディランゲージ: 表現豊かたなジェスチャーを使い、ステージ上を動き回ったり、手や体を使った表現を取り入れて、エネルギーと自信を伝えます。
情熱を見せる: 聴衆の関心を維持するために、まずはあなた自身がトピックに対して心からの熱意を持つようにしてください。その熱意はプレゼンテーションを通して聴衆に伝わり、情熱を持ったエピソードは、聴衆の関心を引き続けることができます。

7. 聴衆を参加させる(発表時間に余裕があれば)
聴衆を巻き込む: その場でボランティアを募ったり、ライブ デモンストレーションを実施したり、聴衆をアクティビティやブレインストーミング セッションに参加させたりします。
聴衆の体験に関連付ける: プレゼンテーションの内容と聴衆の体験や興味を結びつけます。
具体的には、例えば、
  • 共通の経験を話す
    例:もしあなたがリーダーシップについて話をしているなら、「私も新しいチームを率いるときに緊張した経験があります。その時は・・・・」といった共通の経験を共有することで、聴衆が自分の経験と結びつけやすくなります。
  • 聴衆の興味に関連する例を使う
    例:もし聴衆がIT業界の人々であれば、技術的な例や最近の業界トレンドを取り上げることで、内容がより身近に感じられるようになります。
  • 聴衆の背景を考慮する
    例:学生に対するプレゼンテーションであれば、学業やキャリアに関連する内容を含め、アドバイスなどを提供します。
  • 質問やフィードバックを取り入れる
    例:「皆さんの中で、プロジェクトが予定通りに進まなかった経験がある人はいますか?」と問いかけて、聴衆の反応を引き出し、その経験に基づいて話を進めます。

8. 明確で簡潔なメッセージ
重要なポイントに焦点を当てる: いくつかの主要なポイントを押さえ、それらを例やストーリーで補強します。聴衆に重要なメッセージを明確に伝えられるようにしましょう。
専門用語を避ける: 社内で活用している専門用語や、部外者が理解できない可能性のある過度に複雑な説明、理解しにくい略語は避けてください。誰にでも理解しやすい内容にすることを心がけましょう。
三つの魔法の構造」を活用:メッセージを三つの明確で完結、かつ魅力的なポイントにまとめるとプレゼンテーションがより効果的になります。この構造が「魔法」とされるのは、次の理由からです。
  1. 覚えやすい:人間の脳は、情報を三つのグループに分けると覚えやすい傾向があります。三つのポイントにまとめることで、聴衆がプレゼンテーションの内容を簡単に記憶できます。つまりは、多くの情報を盛り込み過ぎてしまうと、覚えきれず、結果的には印象に残らないプレゼンテーションになりがちです。
  2. 理解しやすい:三つのポイントに分けることで、メッセージがより明確になり、聴衆が要点を理解しやすくなります。ポイントが多すぎると、聴衆は情報に圧倒されてしまう可能性があります。
  3. 魅了しやすい:三つのポイントにまとめると、プレゼンテーションが整理されていて、聞きやすいものになります。これにより、聴衆の関心を引き続けやすくなります。

9. 印象的な終わり方
インパクトのある終わり: 重要なポイントを要約し、プレゼンテーションの主要なポイントを完結にまとめて振り返るなど、プレゼンテーションの終わりを印象的なものにしましょう。また、印象的な引用や次への行動を促すメッセージ、または感動的なストーリで締めくくることも良いでしょう。
永続的な印象を残す: 聴衆に考えさせる材料やお題、何か取り組むべきチャレンジなどを与えることで、プレゼンテーションが終わった後も影響を与え続けることができます。

10. リハーサルと準備
リハーサル: プレゼンテーションの内容と表現に慣れるために、プレゼンテーションを何度もリハーサルします。また、社内で複数の人たちに見てもらい、会社のイメージにアッったプレゼンテーションになっているか、わかりやすいかなど印象や感想を聞いてみましょう。話の盛り上げ方や語り掛け方など、自然になるように何度も練習します。また、スライドを進めるタイミングなどについても入念にリハーサルしておきましょう。
予期せぬ事態に備える: コンピューターやプロジェクターの接続やWi-Fi環境、マイクや照明などを含めた技術的な問題に対して、バックアッププランをきちんと準備しておきましょう。また、聴衆からの質問に対しても、ある程度予想される質問に関しては回答を事前に準備しておきましょう。難しい質問などでその場で回答できない質問に対しても、どのように答えるのかを事前に決めておきましょう。当日の予期せぬ混乱にも、迅速にそして冷静に対処できるようできる限りの計画を立ててください。

11. 誠実さを忘れずに
常に誠実であること: 自分らしく、真実な姿勢でプレゼンテーションを行い、情熱を持って伝えることが大切です。聴衆は、話している人が本気で取り組んでおり、そして誠実に話していることを感じれば、あなたのストーリーに共感するでしょう。

12. 秘密の共有
信頼を築く: 聴衆にとって特別な情報を提供することで、彼らとの特別な絆を作り出すことができます。内部情報を共有することで、聴衆は会社に対する信頼感を高め、プレゼンテーションの内容により一層興味を持つことができます。誰もが「秘密」や「内部情報」が大好きです。内部情報は聴衆との特別なつながりを生み出すことができます。

採用イベントで魅力的な企業プレゼンテーションを行うには、事実やデータ、ビジネス情報などのコンテンツだけでは不十分です。重要なのは、聴衆とどのようにつながり、さらにその後も転職を考えるときに思い出してもらえるなど、永続的な印象を残すことができるかどうかです。
魅力的なストーリーテリング、ダイナミックな発表、インタラクティブな要素など、聴衆との繋がりに重点を置くことで、潜在的な求職者との強い信頼関係を築き、あなたの会社を聞き手自身にとって望ましい職場であることをアピー​​ルすることができます。思い出に残るプレゼンテーションの鍵は、共感を示し、熱意を伝え、会社が従業員に提供する価値と利点を明確に示すことであることを忘れないでください。

これらのガイドラインに従うことで、プレゼンテーションが会社の紹介という情報提供の場となるだけでなく、面白​​くてインパクトのあるものとなり、競争の激しい日本の採用市場において、最高の人材を惹きつけることができます。プレゼンテーションに含める最適なコンテンツについて、もっと詳しく知りたい場合は、次の投稿「採用イベント成功の鍵:魅力的な会社紹介プレゼンテーション資料の作り方」を参照してください。

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