リモートワークでも 生産性を高める方法

リモートワークでも 生産性を高める方法

2024年10月30日 17:05
リモートワーク(在宅勤務)という働き方では、仕事とプライベートの境界がどうしてもあいまいになってしまいます。このような環境の中で生産性を高めるためには、柔軟性と集中力のバランスを取る技術が求められます。リモートワークは自由な働き方を提供しますが、同時に疲れやすくなったり、燃え尽き症候群に陥ったり、気が散ってしまったり、常に「仕事モード」になってしまうなどの問題も起こりえます。

こうした問題を避け、時間を効率的に活用し、生産性を高め、さらに心身の健康を支えながら充実した在宅勤務の環境を整えることができたら、そう思いませんか?

この記事では、生産性を向上させ、ワークライフバランスを支援するための具体的な戦略をご紹介します。作業環境や朝のルーティンといったポイントを改善することで、小さな調整が大きな効果をもたらすことがわかるでしょう。ここで紹介する実用的なヒントは、すぐに取り入れられるものばかりです。時間とエネルギーをコントロールしやすくしてくれるでしょう。あなたのリモートワークを、生産的で充実したものに変えていきましょう!
自宅で仕事をする - 生産性を高める方法

1. 専用の作業スペースを作る

作業エリアと生活エリアを分けることが重要です。特定の作業エリアを設けることで、明確な境界を設定し、集中力と生産性が向上します。

アクションステップ:
  • 静かな作業スペースを選ぶ: 人が常に出入りする場所や常に他の人がいる空間から離れた落ち着いた場所を選び、1日を通して集中力を維持しましょう。
  • 快適で活気のあるスペースを作る: 人間工学に基づいた快適な椅子や使いやすいデスク、十分な照明を確保し、また、作業スペースに緑を加えましょう。植物は美観を高めるだけでなく、ストレスを軽減し、空気を浄化し、生産性を高める落ち着いた雰囲気を作り出します。
  • できるだけ散らからないように、必要最低限のアイテムだけを置く: 整理整頓されたスペースは、気を散らす要素を遠ざけてくれるので、集中力を強化してくれます。
  • コミュニケーションを快適にするためのテクノロジーを活用し、最適化する: 安定したインターネット接続と質の高いウェブカメラやマイクを用意し、クリアなビデオ通話ができる環境を整えましょう。ミーティング中に顔と背景を見せることは、プロフェッショナリズム、相手への敬意、注意深さなどを示してくれます。カメラをオフにしてミーティングに参加することは、別の印象を与えることがあることも覚えておきましょう。「ごめんなさい、カメラの問題があり、オンにできません」とか「私のコンピュータにはカメラがありません」と伝えたとしても、信じてもらえないことが多くあります。
刺激的で、毎日続けることができる朝のルーティーンをつくる - 日本でのキャリア - 在宅ワーク - 仕事の生産性を高めるヒント

2. 刺激的で毎朝実行できる朝のルーティンを作る

ポジティブで刺激的な朝の習慣を毎日続けることで、自分自身に仕事の始まりを知らせ、より生産的な1日に向けて心の準備ができます。

アクションステップ:
  • 毎朝きちんと服を選ぶ: 仕事に行くような気持ちで一日のスタートを切ることが大事です。突然のビデオミーティングがいつでもできるような服装を選ぶことで、集中力を強化できます。誰にも合わないからといって、パジャマで過ごすのは避けましょう!女性であれば、お化粧をすると気持ちを切り替えられるので、おすすめです。
  • 朝の運動を優先する: 短いワークアウトやストレッチを仕事前に行うこともおすすめです。運動をすることで体が目覚め、エネルギーレベルが上がります。さらに、血流を良くし、脳に酸素と栄養を供給してくれるので、思考がクリアになり、集中力が向上します。また、朝の運動によってストレスや不安が軽減され、仕事に対するポジティブな気持ちが生まれます。
  • アスリートのようにその日の計画を立てる: アスリートが試合前に準備運動をするように、仕事に取りかかる前の15〜30分を使って飲み物を用意するなどし、落ち着き、その日の目標を明確にしましょう。これにより、すぐに全力で取り組める準備が整います。
  • 明確なその日のタスクや週間目標を設定する: 重要なタスクを優先順位で整理し、タスクに集中できるよう、手帳などに主な目標を書き出しましょう。


3. 家庭内の気を散らす要因を減らす

仕事に集中するために、家事や個人的なタスクは勤務時間外に行うよう整理しましょう。

アクションステップ:
  • 家事の計画とスケジュールを事前に立てる: 在宅で常に家にいるとはいえ、仕事の時間内で家事や個人的なタスクを行うことはやめましょう。勤務外に用事や料理、掃除を済ませられるように、一日のタスクをしっかり管理しましょう。
  • 食事の作り置きにチャレンジしてみる: 週末などに平日の食事の準備をしておくことで、勤務中のお昼休みを有効に活用できます。事前に食材を切ったり、味付けをしておくだけでも時間の短縮になり、忙しい日でも栄養バランスの取れた食事を手軽に取ることができるだけでなく、限られた休憩時間をよりリラックスして気持ちを切り替えることができます。また、計画的な食事は無駄な出費を抑え、健康的な食生活を維持する手助けにもなります。
  • タイマーを活用してみる: 特定の作業に集中する時間に制限をかけてみましょう。例えば、25分間の作業後に5分休憩する、その休憩時間内で家事を行うなどと設定しておくと、集中力を維持しやすくなります。また、タイマーを設定することで、各タスクにかかる時間を意識的に管理でき、効率的に作業を進めることができます。時間の使い方を見直すきっかけになるかもしれません。特定の時間内にタスクを完了させるといった明確な目標が生まれるため、目標意識が生産性を高める要因となります。
カレンダーで時間の確保をする - 生産性の高め方 - リモートワーク

4. カレンダーの時間ブロック技法を活用する

このテクニックは、1日のスケジュールを「時間のブロック」として構成する方法です。このことで、優先順位が明確になり、時間管理が向上します。また、作業する時間が決まっているので、その時間内にタスクを終わらせるという意識が働きます。そして、一日の計画を前もって立てることになるため、何をするのかその都度考える必要はなく、これば「意思決定疲れ」を軽減し、精神的な負担を減らしてくれます。

アクションステップ:
  • 優先させるタスクを選ぶ: まずは、やるべきタスクの中から重要なものを選び出します。例えば、締め切りが迫っている仕事や、特定に重要なプロジェクトなどを選びます。特別なプロジェクトがない場合でも、仕事上必ずやらなくてはならないタスクがあれば、それを選びましょう。
  • 各タスクに現実的な所要時間を割り当てる: カレンダーに、選んだタスクを実施するための具体的な時間帯を設定します。月曜の午前9時からは11時までは「レポート作成」などを記入すると良いでしょう。過去の経験に基づいて必要な時間を見積もり、他の予定に対して過度な負担がかからないように注意しましょう。予定を詰め込みすぎてしまうと、結局はタスクを終わらせることができなかったり、別のタスクを急遽行わなければいけなくなった場合などにフラストレーションが溜まり、逆にパフォーマンスの低下引き起こしてしまうでしょう。モチベーションに悪影響を及ぼすこともあることを覚えておきましょう。
  • 「集中できる時間」と「バッファータイム」を設ける: 深い集中が必要な作業(例えば、リサーチやクリエイティブな作業など)を行うための「集中できる時間」を設けます。この時間は、電話やメール、会話などの中断がないことを前提とし、できるだけ静かな環境で作業に集中することを目指します。そして、「バッファータイム」も必ず設けましょう。この時間は、急な仕事を処理したり、リフレッシュのための休憩を取るのに使います。


5. 短時間で頻繁に休憩を取る

定期的な休憩は、1日の中で精神的な明晰さを保ち、燃え尽きを防ぐために不可欠です。短い休憩は集中力、創造性、やる気を高めてくれます。逆に、デスクに長時間座りすぎていると疲労、生産性の低下、目の疲れにつながります。研究によると、定期的な休憩はエネルギーを回復させ、意思決定の疲労を防ぎ、長時間の仕事に対する集中力を高めます。

アクションステップ:
  • ポモドーロテクニックを試してみる: 「ポモドーロテクニック」とは、時間管理の手法の一つです。作業時間を休憩を交互に設定することで、集中力を高めることを目的としています。例えば、25分の作業と5分の休憩を交互に行うことで、集中力を維持し、頻繁に頭をリセットする効果があります。
  • 昼休みを長めに取る: 会社に確認をしないといけないかもしれませんが、お昼休みを通常の1時間よりも少し長めに設定します。この時間を利用して運動や散歩をしたり、作業場から離れた場所で昼食を楽しむことで、エネルギーが補充されます。
  • 可能であれば自然の中で過ごす: 緑地を短時間でも訪れると、気分の向上やストレス軽減、心のリフレッシュが促進されると言われています。もし、出かけることが無理な場合には、ベランダなどから外の景色や観葉植物などをみるだけでも効果があります。植木や鉢植えに水をあげたり、植物のお世話をするだけでもリラックス効果が期待できます。
  • 休憩中はデジタル機器から離れる: 休憩中にスマフォをみたりしていませんか?せっかくパソコンから離れても、別のデジタル機器を見ているのでは、休憩になりません。こうしたスクリーンから完全に離れることで、目と心が完全に休息し、新たな集中力で作業に戻ることができます。
自然や緑のある環境で休憩時間を過ごす - 生産性向上のためには必要不可欠な休息とエネルギーチャージ

6. 優先順位をつけて日々の計画を立てる

シンプルで構造的な日々の計画を立て、優先目標を設定することで、重要なタスクに集中することができるだけでなく、限られた時間を有効に使えるようになります。そして、優先順位を明確にすることで、何を先にやるべきかがわかり、迷いが減ります。タスクが山積みになっているときの不安やストレスを軽減してくれるでしょう。

アクションステップ:
  • 3つの重要な目標を設定する: 一日に取り組むタスクを三つに絞ることで、重要なことに集中することができます。この方法は、タスクの数を減らすことで、より集中した作業ができるようになります。また、目標を三つに設定することで、達成感を得やすくなることもメリットです。一日に数多くのタスクをこなそうとすると、完了しなかった場合の失望感が大きくなりますが、三つの目標であれば、達成しやすくなります。
  • タスクに対して、さらに優先順位付けをする: アイゼンハワーマトリックスのようなツールを使って、タスクを「緊急性」と「重要性」で分類しましょう。タスクを分類することで、最も重要で影響力のある仕事に焦点を当てることができ、効率的に作業を進めることができます。この手法は、ただ忙しいだけでなく、意味のある成果を出すために役立ちます。

アイゼンハワーマトリックスの基本
  • 第1分類: 緊急かつ重要なタスク(すぐに取り組むべき)
  • 第2分類: 緊急ではないが重要なタスク(計画して取り組む)
  • 第3分類: 緊急だが重要ではないタスク(他の人に任せる)
  • 第4分類: 緊急でも重要でもないタスク(削除または後回し)

  • 完了したタスクを記録する: 完了したタスクや成果を記録することで、達成感と進捗感が高まり、士気が向上します。また、上司との進捗報告会議の準備にも時間が節約できます。


7. デジタルによる気を散らすものを減らす

気を散らすものを最小限に抑えることは、生産性を維持するために重要です。通知をオフにしたり、タブを開きすぎないことで、集中力を保つことができます。

アクションステップ:
  • 仕事以外の通知をオフにする: 私用の電話を「おやすみモード」に設定し、仕事を中断させる通知を防ぎましょう。電話の即応性が求められる職種(例:営業)を除いて、これは特に重要です。
  • タブを制限する: 関連のないブラウザタブを閉じましょう。また、メールをチェック時間を決めておくことも効果的です。即座にメールに返信することは、相手に失礼にならないと思われがちですが、優先タスクへの集中を妨げる場合があるため、顧客サポートのような即応性が必要な職種以外は避けても良いでしょう。緊急性の高い内容や重要な連絡の場合、できるだけ早く返信することが望ましいですが、数時間以内であれば、一般的に許容されている範囲とされています。
  • ウェブサイトブロッキングツールを使用する: 作業時間中に集中力が切れてしまうようなウェブサイトやソーシャルメディアへのアクセスを制限するアプリを利用するのも良い方法です。
  • デバイスを分ける: 私用のデバイスを別の部屋に置き、誘惑を減らし、仕事に集中できるようにしましょう。
セルフケアや自己開発のための時間を大切にする

8. 余った時間をセルフケアと自己の成長に活用する

リモートワークでは通勤時間が省けるため、本来通勤時間などに費やしていた貴重な時間をセルフケアや自己成長に活用することができます。この時間を無駄なソーシャルメディアの閲覧や動画の一気見などで浪費せず、身体的・精神的な健康と成長に役立つ活動に役立てましょう。

アクションステップ:
  • 定期的にメンターや刺激を与えてくれる人と朝食や昼食をとる:上司や友人、メンターとなるような経験豊富な人と関わることで、貴重な洞察を得て、自分の分野への理解を深め、新しいアイデアや成功への戦略に触れることができます。また、これらの交流はネットワークを広げるのにも役立ちます。メンターは、しばしば新たな扉を開くつながりを持っています。これらのミーティングを優先することで、継続的な学びとモチベーションを支える環境を作り、最終的には目標達成へと繋がっていきます。こうした時間は、無駄な時間ではありません。積極的に確保しましょう。
  • 仕事の終了時間を厳守する: 明確な終業時間を設け、プライベートな時間を確保しましょう。
  • 自己成長の目標を計画する: 健康維持や知識の向上に対しての目標やそのための時間を割きましょう。
  • 勤務時間を調整する: もし、可能であるならば、自分にとって最も集中できる時間帯や、生産性が高まる時間帯を特定し、それに合わせて作業時間やスケジュールを調整します。例えば、自分は朝型なのか夜型なのかを理解します。朝の方が集中できるのであれば、朝早くの時間帯や午前中に集中力が必要な作業を終わらせます。休憩時間の取り方も、自分の生産性の波を理解することで、疲れや集中力が落ちる時間帯に休憩を取り入れるなどし、リフレッシュしながら効率的に作業を進めていきましょう。
  • 日々のウェルネスを優先する: 毎日30〜60分をフィットネスや趣味、オンライン講座などに割き、心と体を養いましょう。日々のストレルを軽減し、リフレッシュすることで、仕事に対する集中力やモチベーションも向上していきます。


9. 翌日の準備を前日の終わりに行う

前もって計画することで、決断疲れを軽減します。今のタスクが頭に残っているうちに翌日の準備をすることで、翌日には明確なスタートを切ることができます。

アクションステップ:
  • 一日を振り返る: その日のタスクの達成状況など評価し、翌日のタスクを整理して、仕事を終えましょう。この習慣により、心がスッキリし、翌日の予定を気にせずリラックスできます。
  • 作業スペースを整える: きれいに整った環境は、やる気を引き出します。朝、整ったデスクで仕事を始めると、散らかった状態で始めるよりも集中力とモチベーションが高まります。
  • 翌日のタスクを書き出す: 次の日の作業をスムーズに開始できるように、どのタスクから手を付けるか、どのようなステップで進めるかを事前に考え、書き出しておきましょう。これにより、無駄な時間を減らし、効率的に作業を進めることができます。
食べるものに気を遣い、食事の時間を大切にする - 食べたものがすべて

10. 栄養に気を配り、エネルギーを維持する

食事は健康と生産性に大きな影響を与えます。「食は人を作る」というように、バランスの取れた食事は、身体的健康だけでなく、精神の明瞭さも向上させます。

アクションステップ:
  • 栄養豊富な食事を選ぶ: タンパク質、食物繊維、健康的な脂肪などバランスの良い栄養価の高い料理を選んで、効果的に体にエネルギーを供給しましょう。
  • 水分を保つ: 常に水の入ったグラスなどを手元に置き、水分の補給を心がけましょう。ミルク入りのコーヒーや砂糖入りの炭酸飲料などよりも、水やお茶を飲むほうが健康的で、おすすめです。
  • 健康的なスナックを準備する: エネルギーの低下を招くような甘いものに手を伸ばさず、栄養価の高いスナックを常備しましょう。具体的には、ナッツ類、ヨーグルト、フルーツ、シリアルバーやチーズ、カカオ70%以上のチョコレートなどがおすすめです。
  • 自炊: 自宅での調理は、外食や加工食品を購入するよりも健康的で、何より経済的です。料理をするのが苦手な場合や自炊の時間がない場合は、週末の作り置きにチャレンジしたり、手間のかからない簡単なレシピを探して料理をしたり、缶詰や冷凍野菜などを活用してバランスの良い食事を心がけましょう。もし、外食が続いて野菜やミネラルが足りないな、と感じたらスムージーなどで補うのもおすすめです。


11. 作業環境を変えてみる

作業する環境を変えることで創造性が刺激され、単調さを打破し、新しいアイデアや集中力が生まれることもあります。

アクションステップ:
  • 異なる場所で作業する: 家の中のさまざまな場所で試したり、カフェやコワーキングスペースに行って気分を変えてみましょう。ベランダなどがあれば、ベランダに簡単なデスクや椅子を配置して、ちょっとしたリゾート気分を味わえるかもしれません。
  • デスクの配置を変える: 定期的に作業スペースを再配置することで、新鮮な視点が得られ、生産性も向上します。
  • 座ると立つを交互に行う: 昇降式デスクを活用したり、休憩中に姿勢を変えたりすることで、体の健康が促進され、注意力も維持されます。


これらのヒントがなぜ重要なのか

これらのヒントをリモートワークに取り入れることは、単に生産性を高めることにとどまらず、長期的に満足感を得られる働き方と生活のバランスを実現するために非常に重要です。仕事とプライベートに明確な境界線を設けることで、仕事と個人の時間をきちんと区別できるようになり、心身ともに負担を減らしながら働ける環境をつくることができます。また、これらの習慣は、締切などを効率的に達成するだけでなく、自己成長や自己ケアを大切にし、無理のない持続可能なリモートワーク生活をサポートします。そして、最終的には、仕事に対する満足度が向上し、仕事と生活が調和することで、心地よく充実した日々が送れるようになります。


リモートワークには、メリットもデメリットもあります。デメリットになる要因をできるだけ排除し、リモートワークの恩恵を十分に受け、あなたらしい働き方を実現してください!