日本では、就職や転職に関しては、昨今において求職者有利の状況ではありますが、それでも実際には非常に競争率は高く、特に自分のキャリアに合った企業とのつながりが弱い場合は、さらに厳しい状況にあると言えます。
一つの求人に数十人、数百人もの応募が集まる中から、まずは人事採用担当者の目に留まり、選ばれるためには、一般的な求人サイトを通じて履歴書を提出するだけでは十分な結果は得られないことが多いのが現実です。
では、どうすれば自分の履歴書が人事採用担当者の目に留まり、面接のチャンスを増やすことができるでしょうか?
その一つの有効な戦略が、簡潔なビデオ履歴書の作成です。
ビデオ履歴書とは、自己紹介、スキル、経験、実績やそのポジションにふさらしい候補者である理由などを簡潔にまとめたビデオのことです。従来の文章による履歴書とは異なり、あなたの個性やコミュニケーション能力をアピールすることができ、採用担当者とより個人的なつながりを築くことが期待できます。また、このようなビデオ履歴書を作成するには、時間がかかり、多くの労力や努力、準備が必要になるため、活用している人はまだ多くないのが現実です。そのため、その効果は絶大で、メリットも大きく、就職できる可能性を高めることが期待できます。
How to produce your first Video Resume to get more interviews
インパクトのあるビデオ履歴書を作成し、面接の機会を増やすための10のヒントと手順:
1. コンテンツの計画
スクリプトの準備 : 1〜2分程度(2分を超えないようにしましょう)の短く簡潔なスクリプトを書きます。自己紹介、職務経歴、主要なスキル、重要な実績、そして面接の機会を得るための説得力のある締めの一文など、重要なポイントを抑えた内容にします。汎用性を持たせる : 将来的に似た役職に応募する際にも使うことができるように、一般的なビデオを作成します。特定の職種や役職のみに特化しすぎないようにしましょう。感情的なつながりの構築を意識する : 履歴書は経験とスキルをアピールするものですが、ビデオの目的はあなたの個性やコミュニケーション能力、企業カルチャーへの適合具合を示すことです。履歴書では表せないあなたの一面や価値観を強調するように努めましょう。効果的なストーリーテリング : 物語を語るようの口調で、感情的なつながりを築く話し方が重要です。あなたがそのポジションになぜ相応しいのかだけでなく、情熱や熱意、企業の価値観やミッションにどれだけ共感しているかをビデオを通じて伝えます。
ビデオ撮影や編集のために必要な道具を最低限揃えましょう
2. 基本的で適切な機材を用意する
カメラ : 現在の多くのスマートフォンには優れたカメラが搭載されていますので、ぜひ活用しましょう。三脚 : 三脚を使うことでカメラの角度を調整し、安定した撮影ができます。(手持ちでの撮影は避けましょう)マイク : 高品質な音声を確保するために、クリップオンマイクやデスクマイクを利用すると良いでしょう。照明キット : 適切な照明が重要です。照明キットを使用して、顔を明るく影がない状態に保ちましょう。背景のグリーンスクリーン : 特殊効果を追加する予定がない限り、グリーンスクリーンは必ずしも必要ありません。編集ソフトウェア : 動画を仕上げるために、信頼性の高い編集ソフトウェアを使用しましょう。Canva、iMovie、Final Cut Pro、Adobe Premiere Pro などが使えます。
3.プロフェッショナルな服装を心がける
適切な服装や髪型、メイクにも気を使う : 就職面接の際に着るような服装を選びましょう。また、前髪で目が隠れることがないよう整え、メイクに関しても応募するポジションを意識した、適切なものにしましょう。こうした身だしなみへの配慮は、プロフェッショナルとして応募するポジションやチームに対する敬意を示すものでもあります。
録画のための環境を整える - ビデオ履歴書を作成
4 . 録画環境を整える
静かな場所を選ぶ : 録画する場所は、背景の音による中断がない静かな場所を選びましょう。録画中に音や人の声が入らないようにすることが重要です。良好な照明 : 自然光(最適なのは窓の近く)や、柔らかく拡散された人工照明を使用して、顔がはっきりと照らされるようにします。暗い場所、影になる場所や逆に過度に明るい背景は避けましょう。整頓された背景 : 見る人が背景に気をとられないように綺麗に整えてください。写り込んでしまってはいけないものや、散らかっている場合には、きれいに整頓するか、移動させる、またはカバーをかけるなど工夫をしましょう。背景は、あなたの個性を物語ることがあり、その重要性を過小評価してはいけません。例えば、整理整頓された背景に本やテクノロジー機器を置き適切な照明を加えると、マーケティングコンテンツクリエイター、ビデオグラファー、ブランディングやPR担当者などのポジションに対するプロフェッショナリズムや適性をアピールできます。背景が直接あなたの性格を反映することもありますので、参考にしてください。a 散らかった背景 : 散らかった背景は、整理整頓ができていないことが伝わり、あまり良い印象を持たれません。b 整った背景 : 詳細に気を配ることができ、プロフェッショナルな印象を与えることができます。
三脚の設置 : 三脚が平らな場所に正しく安定して設置されていることを確認しましょう。また、スクリーンを慎重に確認し、顔が動画フレームの中央に位置するように調整します。近すぎず遠すぎず、そしてあなたの表情がよく見えるように設置しましょう。カメラの設定 : カメラは1080p HD、60fpsに設定します。カメラの向き : スマートフォンは横向きで利用することをおすすめします。利用するカメラ : スマートフォンで撮影する場合、高品質な動画を得るために、セルフィーモードではなく、背面カメラを使用します。録画テスト : 一度テスト録画をし、撮影した動画を確認してみましょう。フレームや距離感の確認、音質や背景音が気にならないかヘッドフォンを使ってチェックします。録画環境や設定を慎重に行い、動画のクオリティを高め、採用担当者に良い印象を与えるよう努めましょう。
Tips to create your perfect video resume
5. 録画の際のアドバイス
練習(リハーサル) : スクリプトを何度も読み直し、リハーサルを重ね、スムーズに話せるようにしておきましょう。ボディランゲージ : 良い姿勢で笑顔を見せ、カメラに目を合わせることで、自信のある熱心な印象を与えます。話す速度 : はっきりと、適度な速度で話し、メッセージが分かりやすいようにします。アイコンタクト : 画面ではなく、カメラのレンズに目線を合わせます。スクリプトを読み上げない : スクリプトを直接読むのではなく、自然な話し方を心がけましょう。クリップの管理 : 編集を簡単にするためにも、トピックごとにクリップを録画します。動画全体を一度に録画してしまうと、失敗した時に初めから録画しなくてはいけません。質問に対して一つのビデオを撮影することをおすすめします。開始と終了 : 笑顔を作り、準備ができてから心の中で3秒数えてから話し始めましょう。話終わった後もそのまま笑顔のままで、3秒数えてから録画を停止します。これにより、動画編集がスムーズに行えます。明瞭さと情熱 : 口角をあげ、はっきりと話し、情熱を持って伝えることで、強い印象を与えることができます。
ビデオ動画を編集
6. 動画の編集(ポストプロダクション)
クリップのインポート : 編集ソフトウェア(Final Cut Pro, Adobe Premiere Pro, iMovie, またはCanvaなど)にすべての動画クリップを読み込みます。トリミングとカット : 不要な部分やミスを削除して、動画を整え簡潔にします。テキストオーバーレイの追加 : 名前、連絡先、主要なポイントなどの文字を追加することもおすすめです。しかし、入れ過ぎには注意しましょう。バックグラウンドミュージック : 軽やかで著作権フリーのバックグラウンドミュージックを使用して、動画をより魅力的にします。ただし、音楽が視聴者の気を散らさないように注意しましょう。トランジションの調整 : 選択した音楽に合わせてトランジションを調整し、スムーズな流れを作ります。字幕の追加 : 必要に応じて、英語または日本語の字幕を追加するのも良いでしょう。7. 動画プレビューと最終調整
動画再生 : 動画を初めから視聴して、エラーや改善点を見つけます。全体の流れや音声、テキストなど、細部まで何度も確認しましょう。フィードバック : 友人、家族、同僚などにビデオを見てもらい、動画の改善点やアドバイスをもらいます。エクスポート : 動画を高品質のフォーマットで保存します。一般的にはMP4形式が推奨されますが、目的やプラットフォームに応じて最適なフォーマットを選んでください。サムネイル : 視聴者の関心を引く魅力的なサムネイルを選びます。サムネイルは動画の最初に表示される画像となるので、視聴者に対して良い印象を与えるよう、明確で目を引くものが理想です。8. YouTubeへの動画アップロードと共有 ビデオ履歴書は、ファイルのまま送ることができる場合もありますが、ファイルとして容量が非常に大きいため、そのままでは提出できないことがあります。また、ファイルで送ってしまうと、その後の管理が不可能になり、企業が自分の望んでいる期間以上に長く保管する可能性があります。こういったトラブルを防ぐためにも、企業から特定のプラットフォームでの提出を指定されていない場合には、YouTubeに非公開動画としてアップロードしておくと、安全で、かつ便利にいつでも共有することができます。以下の手順に従って、YouTubeにビデオ履歴書をアップロードしてください:
YouTubeにサインイン : YouTubeにログインします。動画のアップロード :画面右上のカメラアイコン(プラスマーク付き)をクリックし、「動画をアップロード」を選択します。公開設定を「非公開」に設定 : 必ず「公開設定」から「非公開」を選択します。こうする事でリンクを知っている人だけが動画を視聴できるようになります。サムネイルのアップロード :動画のサムネイルとして表示される画像をアップロードします。この画像は動画の内容を視覚的に表現し、視聴する採用担当者の注意を引くために重要です。リンクのコピー : 動画ファイルが完全にアップロードされた後、YouTubeから提供される動画リンクをコピーします。リンクの共有 : このリンクをHireplannerのプロフィールやLinkedInプロフィール、履歴書(PDFファイル)、カバーレター、もしくは企業送るメールに含めて提出します。アクセス管理 : YouTubeにビデオ履歴書を保存しておくと、動画の表示設定を簡単に管理、更新したり、必要に応じて削除したりすることができます。大容量の動画ファイルを企業のウェブサイトにアップロードするよりも、YouTubeを利用する方がプライバシーとデータ管理がしやすくなります。YouTubeでのアップロードにより、誰が動画にアクセスできるかをコントロールし、どのくらいの期間視聴できるかも管理できます。
VIDEO
ビデオ履歴書の作成には時間がかかります。しかし、その努力は後に大いに価値のあるものになるでしょう。作り込まれたビデオ履歴書は、あなたと他の候補者を差別化するのに役立ち、あなたが勤勉でプロフェッショナリズムを持ち、そして効果的なコミュニケーション能力の持ち主であることをアピールしてくれます。そして、このことは、採用担当者に対してあなたが就職活動を真剣にとらえ、最良の自分をアピールするための努力を惜しまないことを示すことができます。
コンテンツの計画や録画環境の設定、プロフェッショナルな服装や身なり、技術的は十分な準備、細部にまで気を配った録画、適切な編集、何度も行うビデオ再生確認、そして安全なアップロードや適切な共有など、これらのステップに気を配り、確実に行うことで、質の高いより効果的なビデオ履歴書を作成することができ、採用担当者にインパクトのある良い印象を与えることでしょう。
成功するビデオ履歴書制作の鍵は、簡潔でプロフェッショナルなデザインでありながら、あなたの持っているスキルや特技、資格、個性を反映させることです。時間と労力をかけて完成度の高いビデオ履歴書を作成することで、より魅力的に自分自身のストーリーを伝え、コミュニケーションスキルを際立たせることができ、その結果として、就職活動においてのあなたの競争力を高めることができます。録画作業がうまくいくことを願っています!